東京23区・東京西部方面エリア版

インタビュー

歯科恐怖症の治療に注力しているのですね。

今までにも患者さんから「麻酔をする注射が痛いから」「自分は麻酔が効きづらいから」という声をいただいたことがあるのですが、私は歯科麻酔を専門に学んできましたので、そうした痛みに関する問題は全て麻酔で解決できます。痛みの原因を全て取り除き、痛みを感じない状況にしてから治療するというのは当院の方針でもあります。しかし、痛みの原因にはいくつかありますので、まずはカウンセリングで、患者さんのお話をお聞きして原因を探ることから始めます。

まずはカウンセリングをしっかり行うのですね。

そうです。単純にすぐに静脈内鎮静法などの麻酔をバンバン使うという事ではありません。過去に治療で痛い思いをした、過去に治療をしたら痛くなったなど、歯科治療で大変な思いをした方は恐怖心を持ってしまいます。他ではあまり聞いたことがないかと思いますが、当院の「歯科恐怖症外来」にはそうした「トラウマ」を持った方が多くいらっしゃいます。私は、大学病院でそうした患者さんを数多く拝見し、そうした方の問題を解消する取り組みも行っていました。しかも、実際多くの方が、このカウンセリングなどによって、歯科恐怖症といった問題が解決してしまうのです。これはデータも出ていて、約90％の方が、カウンセリングなどで歯科恐怖症が解決するのです。

90％程度がカウンセリングなどで解決するデータには驚きました。

そうです。非常に多くのケースが、解決できるのです。わからない・知らないといった部分から恐怖を感じていることが多いですね。わからないものは怖い。また、勝手なイメージが出来上がってしまっている等。それで、良くお話を聞いた上で、何をやるかよりも、今、どこまでできるか？からはじめていきますね。そして、イメージトレーニングのようなことをおこなったり。患者さんの恐怖の原因、タイプを見極めて、段階を積み重ねて改善していきます。

鎮静法に頼り切るような診療方針ではないという事ですね。

はい。歯科恐怖症であるからといって、鎮静法のみを解決の選択肢とすることはあまりおすすめできないことでもあるからです。なぜかというと、鎮静法なしでは治療が出来なくなってしまう、依存状態をつくりだしてしまうことも少なくないからです。私は、歯科医師としてだけでなく、麻酔医としても、鎮静法の乱用をするような診療方針には賛成できません。そこで、当院では治療についての説明はもちろん、カウンセリングをしっかりおこない、歯科治療に対して持っている怖さ・治療への不満・不安な点などをお聞きすることから始めます。

ひとつひとつ段階を踏んでいくのですね。

そうです。そして、解決してきても、もちろん、その過去の記憶と同じことはしないようにします。場合によってはお話だけで治療は様子を見て少しずつおこなうこともあります。丁寧な話し方も心がけていますね。時間がかかることもありますが、最終的に自分で座って口を開けて治療を受ける状態まで持っていきます。お子さんの場合、無理やり抑えつけてという治療はしませんし、無理にでも治療をして欲しいという場合にはお断りすることもあります。こうした取り組みの根本には、私自身の痛い・怖い治療をされて嫌な思いをしたという体験があります。患者さんの気持ちを整理してから治療を始めますので、安心してお越しいただきたいと思います。

最後にメッセージなどをお願いします。

緊急性のある治療などには、静脈内鎮静法や、精神鎮静法などを必要に応じて判断し、使用しますが、90％のケースでは歯科恐怖症の解決ができています。いきなり薬に頼るのではなくても、解決できるのです。歯科医師としても、日本歯科麻酔学会に所属する麻酔医としても、薬の乱用は良しと考えていません。いきなり静脈内鎮静法などを第一選択肢とせずとも、根本的な解決の方法があり、当院で解決可能かもしれません。歯科恐怖症の場合には是非、ご相談ください。

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