インタビュー
先生は噛み合わせの治療をされていらっしゃるということですが
そうです。「噛み合わせ」とは、上あご、下あごを閉じた時の歯と歯が接触している状態のことなのですが、いわゆる親知らずも含めると、大人の歯は上下各16本づつ、合計32本の歯があります。ただ、この歯が、それぞれ本来あるべき場所にきちんと生えていれば噛み合わせには何の問題もないのですが、実はちよっとしたことで、この噛み合わせは乱れてしまいます。例えば、乳歯から永久歯に生えかわる時、抜歯の後、むし歯治療の後、親知らずの生える場所などで、噛み合わせが変わり、ずれてくることがあります。また、むし歯で歯や歯茎が痛んだり、不快感があると、無意識のうちに痛みを避けるために、あごをずらして噛むようになることがあります。そうなると、次第にそれに慣れてしまい、生活に不自由を感じなくなってしまいます。そのことが、長い間に、あごの骨や筋肉に大きな負担をかけ、顎関節症を引き起こしてしまう事があります。また、歯を抜いたままにしておくと、その抜けた後を補おうと残った歯が傾いたり、伸びたりしてしまいます。歯に被せ物ををしたり、義歯を入れたりして何年か経つと、それらが減ったり、無理に噛み合わせようとして、不正咬合が起こる場合もあります。知らず知らずのうちに「無理な噛み癖」や「歯ぎしり」や、現代人がかかえる様々なストレスによる「歯のくいしばり」が不正咬合の原因となっている場合も多いようです。
噛み合わせの不正によってどんな症状がでたりするのですか
噛む力が低下する場合があります。歯は全体で微妙なバランスを保って支え合っているので、少しその調和が崩れると噛む力が弱まって、食事の楽しみを失ってしまうばかりではなく、栄養障害や胃腸病にもなりかねません。また、噛む時に無理な力がかかるため、あごの周囲の筋肉が痛くなったりもします。また、歯の重くなったところや噛み合わせのズレている部分は磨きにくく、食べカスや歯垢がたまりやすいため、歯周病やむし歯になりやすくなります。さらに、不正咬合は単に歯の噛み合わせが悪く、噛みにくいだけではなく、長期にわたると、歯痛やあごだけではなく、全身的ににその影響を及ぼしてきます。噛み合わせのズレはアゴや骨格を通じて全身におよびます。これは人間が直立歩行をすることと深くかかわります。歯を抜いたまま治療を受けず放置したり、むし歯や歯周病によって、また、入れ歯の噛み合わせに狂い生じると、顎関節の動きに異常が出てきて、長期にわたると最終的には顔の形なども変形させることもあります。
顎関節症の治療については
顎関節症とは、あごの関節の周辺に何らかの異常がある「あごが痛い」「あごが鳴る」「口が開けづらい」などが主な症状である慢性的な疾患で、原因はいくつかあり状態も異なるがまとめて顎関節症といいます。顎関節症の患者は子供~高齢者まで幅広くみられる病気ですが、最近特に女性の20~30代の方が多くなりました。なぜ女性が多いのかはよくわかっていませんが、健康に対する関心度の高さや男性よりも骨格や女性の方が靱帯が弱いこと。また、女性ホルモンに関係がある、などの説があります。当院では体のバランスをはかる「四分割バランサー」や、噛み合わせの記録取りをして、コンピューターで分析する「プレスケール機械」などを設置してあります。また、顎関節症の患者様に対して、最初に足のバランスを取りながら全身のバランスを整える「生体構造調律」を行います。生体構造調律を行うことによって得られたバランスと噛み合わせを調和させることで症状を改善させることが出来ます。
最後に一言お願いします
最近、噛み合わせが首の痛み、肩こり、腰痛などの体の不調の原因であるとよく言われてます。「歯ぐらい!」でと言う方もいますが、人間の体はつま先から頭まで全て繋がっています。よって、体のバランスの一部が悪いと他の部位で対応しなければなりません。まして、最も原始的な臓器である口腔の不調は他の部位に大きな影響を与えます。もちろん、上記の症状が全て噛み合わせではありませんが、問題を解明し、早期治療をすることが大切です。
医院情報
医院名 | 笠茂歯科医院 |
院長 | 笠茂 享久 |
略歴など | ・日本大学歯学部 卒業 ・日本大学歯学部大学院卒業 博士号取得 ・笠茂歯科医院開院 ・生体構造調律研究所 |
所在地 | 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-5-3 |
アクセス | JR中央線 千駄ヶ谷駅より徒歩5分 |
診療時間 | 月・水曜日 9:30~13:00 14:30~19:00 火・木・金曜日 9:30~13:00 14:30~18:00 |
休診日 | 土曜・日曜・祝日 |
オフィシャルサイト | http://kasamo.jp/index.html
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電話番号 | 03-3355-3987 |