インタビュー
佐藤院長が得意としている治療が顎関節症と伺いました
私の専門は顎関節症の治療になります。もともと、私が東京医科歯科大学の口腔外科出身でして、現在でも同大学の専門外来でも治療や後進育成のため週1回通っています。口腔外科の領域は医科の分野と重なる部分が多いのですが、その中で歯科が独自で行える治療は、顎関節症であったり様々な治療があります。そういうこともあり、医科と歯科が関わってくる領域ということで顎関節症に興味を持ったことがきっかけで現在に至っています。現在では、日本顎関節学会の指導医と専門医という立場で、患者様のために日々臨床に務めております。
顎関節症とは具体的にどのような症状なのでしょうか
そうですね。わかりやすく言いますと、耳の脇あたりにある顎の関節に関わる症状になります。患者様からよくおっしゃるのは、お口の開け締めで顎の関節の音が鳴ってしまったり、ひどいときには顎の関節が痛みによって口が開けられなかったりすることもあります。なぜ、顎の関節が痛み始めるのかと言いますと、これまででは、歯のかみ合わせが合っていないことによる症状と言われていましたが、現在では、かみ合わせ以外にもいろいろな要因、例えば歯ぎしりや食いしばり、頬杖などの動作が絡んで症状が引き起こされることがわかってきました。そのことを突き止めた医師が、実は私の恩師にあたる方でして、それ以来、私も顎関節症の問題には現在まで深く関わるようになっています。
TCH(歯の接触癖)をかかえている人が多いと伺いましたがどういった症状なのでしょうか
はい、TCH(歯の接触癖)とは、日々の身体動作の中で無意識のうちに上下の歯に力を入れてくっつけてしまう癖の動作を言います。実は、このTCHの症状を抱えている方が増加傾向にありまして、私としましては現在最も注目、重要視している症状になります。なぜかと言いますと、TCHの症状を抱えている方は、そうでない方よりも顎関節症を発症する確率が非常に高いことがわかってきたからなのです。ただ、よく患者様には勘違いさせてしまうのですが、TCHという症状は上下の歯を力を入れてくっつける「無意識の癖」ですから、日々意識をしていれば問題ないのではないかとおっしゃるのですが、人間の無意識に行っている動作そのものを自分自身で変えることはそう簡単なことではなく、とても難しいものなのです。専門外来に通院の上、一定のトレーニングを経て、症状を抑える必要があります。
TCHの症状自体は近年発見されたと伺いました
もともとTCHという言葉自体はありませんでした。私が日々の研究の中で、顎関節症の原因となる起用因子というものを私の恩師とずっと探しているのですが、先程も申し上げたとおり、私が大学を卒業して東京医科歯科大学に所属した頃では、顎関節症の原因はかみ合わせが悪いことによるものだと言われていました。しかし、よくよく突き止めてみると、かみ合わせが悪いからといって顎関節症になるわけではないことがわかり始めてきたので、新たに様々なデータを取り始めたのが2000年くらいになります。そのデータを長年突き詰めていく中で発見したのが、実はTCH(歯の接触癖)だったのです。このTCHを私の恩師や関連分野の先生方と一緒に学会で発表させていただき、医療業界では周知されるようになってきましたが、まだまだ一般の方にはまだまだ知られていないという現状があります。
TCHの改善方法について教えて下さい
TCHは、どうしても無意識のうちに行ってしまっている動作ですから、ご自身で症状を改善することは難しいですので、専門外来で専門医のもと、適切な治療、トレーニングが必要になっていきます。例えば、心理的療法の一つである習慣逆転法という方法を取らないとなかなか治せない可能性が高いと言われています。具体的には、患者様には歯をくっついていると症状が悪化してしまうことをしっかり認識させること、そして、その認識をもたせた上で、例えば患者様には、目に留まるようなところに貼り紙などを貼り、歯がくっついてしまっていないかを意識してチェックをすることを何度も繰り返してもらうことになります。患者様の症状の度合いにもよりますが、数ヶ月に一定の改善がみられてきます。一方で、自分で意識して歯を離そうとすると、今度は逆に無意識に歯を離しているのですが、顎の別な筋肉に力が入ってしまい、その筋肉が痛くなり逆効果になってしまうケースがあります。そのため、単に歯を離せれば問題ないかというとそういうことではなく、自然に歯が離れなければならないのです。普通であれば、自然なかたちで歯が離れている状態になっているので、そういう状態に改善するためには、やはり専門医へのご相談が必須になってくるかと思います。
最後に一言をお願いします
当院は、可能な限り痛くない、患者様に恐怖心を与えない、安心安全をモットーに掲げています。痛いから、あるいは怖いから歯科医院には行きたくないという方もまだまだ多いかと思いますが、当院では小さなお子様も意外と平気な顔で治療を受けていますので、ご安心してご来院いただければと思います。私は顎関節症やインプラント治療などを主に行っていますが、一番大切にしたいことは、何よりもそういった治療をすることがないように、予防的意識を患者様には高めていきたいと考えています。お困りの際は、ぜひ当院までご相談ください。宜しくお願いいたします。
医院情報
医院名 | 佐藤歯科医院今戸クリニック |
院長 | 佐藤 文明 |
略歴など |
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所属など |
日本顎関節学会 指導医 |
所在地 | 〒111-0024 東京都台東区今戸2-39-9 |
アクセス | 浅草駅より「東42甲」バス「南千住車庫前行」に乗車「東浅草」停留所下車 徒歩1分 南千住駅より「草64」バス「浅草雷門南行」に乗車「東浅草一丁目」停留所下車 徒歩1分 |
診療時間 | 月・水・木・金曜日 9:45~13:00 / 14:00~19:00 土曜日 9:45~13:00 / 14:00~17:00 |
休診日 | 火曜日・日曜日・祝祭日 |
オフィシャルサイト | http://sato-shikaiin.com |
電話番号 | 03-3871-8148 |